始業前の事務所で、名簿を指でたどりながら、貸出簿にペンを走らせる。
昨日届いた名簿と、いま集まっている人の顔ぶれが、少し違う。確かめて、書き直して、カードを渡す。

日々、さまざまな改善に取り組まれていると思います。
ただ、この朝の手間は、努力や工夫だけでは、なかなか軽くなりません。

この記事でわかること

  • 外部スタッフの入館管理を見直すときの、3つの分かれ道
  • 受付の仕組みを選ぶときに、先に確かめたい条件
  • 入れたあとに止まらないための、頼み方と定着の考え方

工場や物流拠点での受け入れの流れは、導入事例集にまとめています。
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製造業の事例を知りたい方は、導入事例集(製造業編)もあります。

見直しの分かれ道は、3つある

見直しの話は、機能表を並べるところから始まりがちです。
ですが機能表を開く前に、先に決めておくことがあります。

当社が整理すると、分かれ道は3つあります。

分かれ道

決めること

決めないまま進むと

一つ目

自分たちで作るか、できあがった仕組みを選ぶか

費用や社内の基準にぶつかって、見直しが止まることがある

二つ目

外部スタッフの情報を、誰が、いつ入力するか

名簿を確かめて写す作業が、毎朝、受け入れる側に集まる

三つ目

入力を頼む相手の得を、どう用意するか

頼んでも、動いてもらえない

この3つは当社の整理です。
すべての現場に当てはまるとは言いません。順に見ていきます。

一つ目の分かれ道|自分たちで作るか、選ぶか

外部スタッフの入館管理を見直すとき、最初に浮かぶのは「今の運用を、そのまま画面にできないか」ではないでしょうか。
名簿の形も、貸出簿の欄も、自分たちの現場に合わせて作れるなら、これほど話が早いことはありません。

仕立ての服は、体に合います。
一方で、直すたびに仕立て屋が要ります。受付の仕組みを自分たちで作る道にも、似たところがあります。

作る道で、ぶつかりやすい壁

壁

どんな場面で出るか

費用

作る費用に加えて、直すたび、守るたびに費用が要る

社内のセキュリティ基準

個人情報を扱う仕組みは、社内の基準を通す必要があり、そこで止まることがある

作った人がいなくなったあと

仕組みの中身が一人の頭の中にあると、引き継ぎで困る

どれも、必ずぶつかる壁ではありません。
ただ、作り始めてから気づくより、作る前に確かめるほうが、遠回りが少なくなります。

選ぶときに確かめたい条件

できあがった仕組みを選ぶ道でも、機能の数で決めると迷います。
外部スタッフの入館では、次の問いから確かめると、候補が絞れます。

✅ここをチェック

  • ☐来訪元の会社ごとに、登録する情報を分けられる? 他社の名簿が見えない形になっている?
  • ☐カードの貸出と返却が、記録に残る?
  • ☐同意書(個人情報の扱いへの同意)を、画面で取れる?
  • ☐来訪を知らせる先が、内線や外線、チャットなど、現場の使い方に合っている?
  • ☐社内のセキュリティ基準や、使っているツールとつながる?

全部そろった仕組みが正解とは限りません。
毎朝の手間と重なる条件から、順に見てください。

社内のセキュリティ基準に合う受付システムの選び方は、別の記事で整理しています。

二つ目の分かれ道|誰が入力するか

名簿の情報を、いちばん早く知っているのは誰でしょうか。
受け入れる側ではなく、人を送り出す来訪元の会社のはずです。

受け入れる側が、届いた名簿を見て、確かめて、写す。
この流れを、情報を最初に持つ側へ戻せないか。
そう考えるのが、二つ目の分かれ道です。


戻した形は、たとえば次のようになります。

いつ

だれが、何をする

前日まで

来訪元が、スタッフの情報を登録する

登録のあと

スタッフ本人に、受付用のQRコードが届く

当日

受付の端末にQRコードをかざして、受付を済ませる

退館のとき

同じQRコードで、退館を記録する

受け入れる側の手は、名簿を写す作業から、承認と記録の確認へ移ります。
こうした流れを支える仕組みのひとつが、当社のクラウド受付システム「RECEPTIONIST」です。
来訪者に事前にQRコードを送り、当日は端末にかざして受付できます。

ただし、この形は、入力を頼む相手が動いて初めて回ります。
入力を来訪元に任せ、承認と記録を施設側が持つ考え方は、入構申請は誰が持つかの記事でも整理しています。

入館の流れを、現場の条件に合わせて整える方法は、導入事例集にまとめています。
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製造業の事例を知りたい方は、導入事例集(製造業編)もあります。

三つ目の分かれ道|頼む相手の得を、どう用意するか

入力を頼まれる側から見ると、これは作業が増える話です。

受け入れる側の都合だけで頼むと、返事は「検討します」で止まるかもしれません。
首を縦に振ってもらうには、相手にとっての理由が要ります。

お願いは、ひとつの交換です。
こちらが受け取るものと、相手が受け取るものを並べて、釣り合うかを見ます。

頼む相手

増えること

楽になるかもしれないこと

来訪元の会社

前日までの登録

毎日の名簿の送付や、当日の電話での確認が減る

スタッフ本人

QRコードの受け取りと、同意の手続き

受付での待ち時間や、紙への記入が減る

この表は例です。
相手にとって何が楽になるかは、相手の現場で変わります。頼む前に、相手に聞いて確かめてください。

伝え方の例を挙げます。

前日までにご登録いただければ、当日の受付はQRコードをかざす形にできます。
スタッフの方の待ち時間も、見直せる見込みです。

最初から順調に運ぶとは限りません。登録の形式で迷う相手も出てくるでしょう。
入力の見本と、決まった形式を最初に渡しておくと、問い合わせを減らせる見込みがあります。

導入のあとに、戸惑う人をどう支えるか

仕組みは、入れた日が終点ではありません。

新しい受付の前で立ち止まる人は、かならず出てきます。
立ち止まる人は、受け入れる側にも、頼まれた側にもいます。

だれが

起きやすいこと

先に用意しておくもの

受付や警備に立つ人

端末の使い方を聞かれて、すぐに答えられない

画面つきの手引きと、困ったときに聞ける人

来訪元の担当者

登録の形式で迷う

入力の見本と、決まった形式

外部スタッフ本人

QRコードの受け取り方が分からない

受け取ったあとの流れを書いた案内


手引きを作る人と、声をかけ続ける人を、入れる前に決めておきます。
戸惑いは、早く拾うほど、小さいうちに片づけられます。

受付システムで見直した会社の例

外部スタッフの入館管理を受付システムで見直した会社の例として、株式会社ディーエムエスの導入事例があります。
どんな形に組み直したのかは、事例ページで紹介しています。

株式会社ディーエムエスの導入事例を読む

規模や悩みの違う会社の見直し方も、導入事例集にまとめています。
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自社に当てはめるなら、まず確かめる4つのこと

当社は、次の4つを確かめておくとよいと考えています。

✅ここをチェック

  • ☐作るか、選ぶか。作る前に、社内のセキュリティ基準や、使っているツールとの相性を確かめている?
  • ☐誰が入力するか。外部スタッフの情報を、誰が、いつ入れている?
  • ☐相手の得。入力を頼む会社にとって、何が楽になるかを言葉にできる?
  • ☐定着の設計。一番戸惑う人と、作業が増える相手に、導入後の手引きと声かけを、誰が続ける?

自社に合わないこともある

  • 入力を頼む相手が動いてくれなければ、この形は成り立ちにくくなります
  • 外部スタッフの入館が週に数回なら、今の運用のほうが現場に合うことがあります
  • スタッフ本人がスマートフォンを持っていない、または受け取れない場合は、QRコードの渡し方を別に考える必要があります

仕組みを入れれば必ず楽になる、とは言い切れません。
自社の現場と、頼む相手の事情に合わせて、一つずつ試しながら広げるのが現実的です。

外部スタッフの入館管理は、作るか選ぶか、誰が入力するか、相手の得は何か、の三つが決まると、見直しの順番が見えてきます。


同じ課題を抱える業務センターや工場の導入の流れは、導入事例集にまとめています。
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