協力会社や派遣会社の作業員を受け入れるときの負担は、入構申請を施設側と来訪元のどちらが持つかで、出る場所が変わります。入力は誰が来るかを最初に知る来訪元が行い、承認と入場の記録は施設側が持つ。この分け方にすると、施設側の転記や連絡待ちを減らせる可能性があります。

早朝の守衛所で、前日に届いたリストと顔ぶれを照らし合わせる。リストにない人が来たら、来訪元に電話で確かめる。そんな確認を毎朝くり返しているなら、見直す余地は申請の持ち方にあります。三つの持ち方を比べると、自分の拠点でどこから手を入れるかが見えてきます。

外部の方を受け入れる流れは、工場の受付・入館管理の資料にもまとめています。

入構申請の負担は、施設側と来訪元の両方に出ている

施設側:前日のリスト共有と、早朝・夜間の待機

前日に入場者リストが届いたら、守衛にも渡して翌朝に備える。紙で受け渡していると、渡し漏れや行き違いも出てきます。

24時間動く工場なら、早朝や夜遅くに入る作業員もいます。そのたびに誰かが待機して、到着を確かめてから構内へ通す。一回ずつは小さな手間でも、毎日のことです。

来訪元:直前の交代連絡と、施設ごとに違う様式

作業員の顔ぶれは、前日の夕方や当日の朝に変わることもあります。そのたびに、来訪元は施設へ連絡し直すことになります。複数の工場に人を送る派遣会社や協力会社なら、施設ごとに違う申請の様式に合わせて、同じ人の情報を書き分けることになります。

どちらかが怠けているわけではありません。申請をどちらが持つかで、負担が出る場所が変わるだけです。

来訪元は「誰が来るか」を、施設側は「入れてよいか」を持っている

入構申請には二つのものが関わります。誰が来るかという最新の情報と、その人を入れてよいかの判断です。

急な交代も人数の増減も、最初に知るのは来訪元。一方で、入場を認めるかを決め、入場の記録を残す責任は施設側にあります。

持っているもの

来訪元

施設側

誰が来るか(最新の情報)

一番早く知る

連絡を受けて知る

入場を認める判断

持たない

持つ

入場の記録・入館の履歴

持たない

残す責任がある

この二つが別々の場所にあるため、どちらが申請を持っても、情報を受け渡す手間が生まれます。

施設側が申請を持つと、承認はそろうが転記と連絡待ちが増える

流れ

来訪元が施設の担当者に、翌日の入場者を電話やメールで伝えます。施設側はそれを入場者リストにまとめて守衛に渡し、当日は守衛がリストと照らし合わせて入場を受け付けます。

メリット

入場者の情報が施設側の一か所にまとまります。どの会社の誰を入れるかを施設側で決められるので、承認の基準をそろえやすい持ち方です。

デメリット

負担は施設側に寄ります。来訪元からの連絡を待ち、届いた情報をリストに書き写し、守衛に渡す。予定のある来訪、予定のない来訪、工事業者の出入りが別々の表で管理されていると、同じ人の情報を何度も入力することになります。守衛が台帳に手で書き写す運用なら、転記はさらに一回増えます。

直前に入場者が変われば、リストを直して守衛に渡し直す。転記の回数と、連絡を待つ時間が、この持ち方の負担の中心です。

来訪元が申請を持つと、情報は早いが様式がばらつく

流れ

来訪元が自社の様式やシステムで入場者を管理し、施設に提出します。施設側は届いた申請を確かめて受け付けます。

メリット

自社の作業員を一番把握しているのは来訪元です。交代や増員があっても、最新の情報のまま申請を出せます。

デメリット

来訪元ごとに書式や項目が違うため、施設側は形式ごとに中身を確かめ、自社の台帳に書き写すことになります。来訪元から見ても、送り先の工場ごとに求められる書き方が違えば、同じ作業員の情報を何通りにも書き分けることになります。

施設側が持てば施設側に、来訪元が持てば両方に、転記の手間が残ります。

申請から入館までの流れを、施設側の仕組みで整える方法を資料にまとめています。

工場の受付・入館管理の資料をダウンロードする

入力は来訪元、承認と記録は施設側が持つ形が筋がよい

二つの持ち方の負担は、最新の情報を持つ側と、承認と記録の責任を持つ側が分かれていることから生まれます。それなら、それぞれが自分の持ち分だけを受け持つ形にすればよい、というのが私たちの考えです。

入力は、誰が来るかを一番早く知る来訪元が行う。承認と、入場の記録を残す器は、責任を持つ施設側が持つ。こう分けると、情報は最初に知った人の手で一度だけ入力され、施設側は承認と確認に集中できます。独自の訪問申請書を人の手で回している工場から、その運用を仕組みに置き換えたいという相談が届くのも、この分かれ目に負担がたまっているからです。

観点

施設側が申請を持つ

来訪元が申請を持つ

来訪元が入力し、施設側が承認・記録

最新の情報が入る速さ

連絡待ち

速い

速い

承認の統制

しやすい

施設側で別途確認

しやすい

転記

施設側で発生

施設側で発生

減る可能性

様式のばらつき

少ない

出やすい

施設側の様式にそろう

記録の置き場所

施設側

来訪元と施設側に分かれる

施設側

来訪元が少なく、顔ぶれもほとんど変わらない拠点なら、施設側が持つ運用で十分に回っている場合もあります。転記や待機が日々の負担になっているかどうかが、見直すかどうかの分かれ目です。

来訪元が入力し施設側が承認すると、申請から入館の履歴まで一本でつながる

申請から入館までの流れ

来訪元の担当者が、翌日入る作業員の情報を施設の申請フォームに入力します。施設側が内容を確かめて承認すると、作業員本人に受付用のQRコードが届きます。当日はそのQRコードを受付の端末にかざして入館の手続きをし、施設側で確認する。手続きの記録は、そのまま入館の履歴として残ります。

施設側と来訪元で変わること

  • 施設側 リストへの書き写しと、守衛への受け渡しが減る可能性があります。入力は施設の様式でそろって届くので、形式を読み替える手間もなくなります。
  • 来訪元 入力先が施設ごとに一つに決まります。直前の交代も、申請を直して確認を待てば済みます。
  • 当日の入場 口頭での確認や紙への記入が減ります。履歴が人ごとに残るので、「あの日、誰が入ったか」と聞かれても答えやすくなります。

場面

施設側が申請を持つ運用の例

来訪元が入力し、施設側が承認する形

入場者が決まったとき

来訪元が連絡し、施設側が入力・リスト化

来訪元が申請を入力

前日

施設側がリストを守衛に渡す

施設側が承認し、本人にQRコードが届く

当日の入場

口頭での確認や紙への記入

QRコードをかざし、施設側で確認

直前の変更

電話で連絡し、リストを直す

来訪元が申請を直し、施設側が確認

後から聞かれたとき

台帳やリストを探す

入館の履歴を見る

入館の履歴が残っても、それで何を答えられるかは別の話です。記録で「いつ・誰が・どこまで」を答えられるかの点検は、入場の記録は後から答えられるかで書いています。

仕組みを変えても残ること

申請の持ち方を変えても、それだけでは解決しないことがあります。

QRコードの貸し借りやなりすましは、完全には防げません。QRコードは申請が承認されたことを示しますが、かざした人が本人かどうかまでは確かめられないためです。施設側での目視の確認と、QRコードを他人に渡さない、長期の入場申請を定期的に見直すといった運用のルールを、あわせて決めておく必要があります。

来訪元にも新しい作業が生まれます。申請の入力や担当者のアカウントの管理、直前の交代への対応は残り、入力の誤りもなくなりません。

それでも、入場の前に承認があり、入館の手続きが本人に紐づき、施設側で確認した履歴が残ります。

入構申請の持ち方は、工場の物理的な対策のうちの一つです。敷地や出入り口の管理を含めた進め方は、工場のセキュリティ対策で書いています。

申請の窓口と記録の置き場所を、施設側で一つにする

来訪元が入力し、施設側が承認と記録を持つ形は、メールや表のやり取りだけで回そうとすると、結局どこかで転記が戻ってきます。来訪元の入力を受ける窓口と、入館の履歴を残す場所が、施設側で一つにまとまっている必要があるからです。

RECEPTIONISTでは、この窓口を外部事業者入館申請として用意しています。派遣会社などの事業者が現場スタッフの入館申請を行うと、スタッフ本人に受付用のQRコードが届き、当日は受付のiPadにかざして入館の手続きをします。

ディーエムエス様の事例

ディーエムエス様は工場ではなく、DM発送や物流を担う業務センターの事例ですが、日々顔ぶれが変わる外部の方を受け入れる点は同じです。業務センターには毎日多くの派遣スタッフが入館しており、繁忙期には約100名の対応で受付が混乱していました。警備員が名簿を確認し、セキュリティカードの貸出簿を手で書く運用で、毎朝の準備にも追われていたといいます。

導入後は、派遣会社が前日にスタッフの情報を登録すると、本人に受付用のQRコードが自動で届くようになりました。当日はiPadにQRコードをかざして入館し、退館も同じQRコードで行います。毎日届いていた名簿は、システム上のデータに置き換わっています。

切り替えるときに話を通しておくこと

申請の持ち方を変えるときは、来訪元と施設の現場の両方に話を通す必要があります。同社では派遣会社に対して、スタッフが集合する時間を短くできるという来訪元の利点を伝えて協力を得ました。警備員に向けては、新しい流れを説明するマニュアルを用意しています。

まとめ

申請の持ち方を見直すときは、三つの問いから始められます。

  1. 誰が最初に入場者を知るのか
  2. 誰が入場を承認するのか
  3. 入場の記録はどこに残るのか

三つの答えが別々の場所にあるほど、転記や連絡待ちが増えます。入力は最初に知る来訪元が、承認と記録は施設側が受け持つ形にすると、それぞれの手元に残る作業は自分の持ち分だけになります。

記録の置き場所を決めたら、その記録で何を答えられるかも確かめておくと、点検や監査の前に慌てずに済みます。点検の観点は入場の記録は後から答えられるかにまとめています。

外部の方の入構申請から入館の履歴までを、施設側の仕組みでどう持つか。工場での受け入れの流れを資料にまとめています。

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