受付×会議室のシステム化でお客様ファーストを実現!グローバル企業の日産が目指す次世代オフィス
この記事の要約
- ・ 受付業務と会議室管理の効率化でお客様満足度を向上
- ・ RECEPTIONIST導入の決め手は直感的な操作性とシンプルなUIデザイン
- ・ SaaS型システムを採用し、保守性と効率性を両立
今回は、導入を主導したビジネスシステムソリューション本部の長田様、コーポレートサービス統括部の中村様にお話を伺ってきました!
お客様に余分な手間や不便をおかけしてしまっていた
受付業務における課題は何でしたか?
中村これまでの受付では、お客様に紙の来訪録を記入していただき、それを受付担当者が確認してゲストカードを渡す必要がありました。また、受付から担当者へ電話で来客を伝える運用が行われていました。
この運用では、受付が完了するまでに時間がかかるため、お客様をお待たせしてしまうこともあり、来訪時に余分な手間と時間をかけさせてしまっていました。
また、受付の前段階でも、お客様にご不便をおかけすることがありました。
本社オフィスでは、従業員用とお客様用の入り口が分かれており、駅からオフィスまでの道順を記載した案内図があります。しかし、それをきちんと添付できている社員もいれば、忘れてしまう社員もおり、その結果、お客様への対応品質にばらつきが出ていました。
会議室管理における課題は何でしたか?
中村会議室管理では、空予約が問題になっていましたね。空予約が多いと必要な時間に会議室が確保できず、予約が取りづらい状況になっていたので、非常に困っていました。
お客様との日程調整の際も、会議室の空き状況を考慮して調整が必要だったので、「お客様と自分の予定は空いているのに、会議室に空きがなくて希望の日程で会議ができない」という状況もあり、お客様には不便をおかけしていましたし、業務効率の面でも課題がありました。
長田また、これまでの予約システムは日本語対応のみだったので、外国籍の従業員にとっては利用しにくいという課題もありました。
直感的な操作性とシンプルなUIデザインが決め手
RECEPTIONISTと予約ルームズを選ばれた理由を教えてください
長田選定のポイントはいくつかありましたが、マスト条件としていたのは以下でした。
・受付と会議室予約がセットで導入できること
・SaaSのシステムであること
先述した通り、受付と会議室にあった課題が解決できることはもちろんですが、システムがSaaS型であることで、ハードウェア更新が不要な点は大きなメリットでしたね。
中村今回、弊社では「来客用の受付システム」を刷新したかったこともあり、RECEPTIONISTというシステムが、その名の通り「受付」を主軸にシステム設計されている点も高評価でしたね。
長田他にもRECEPTIONISTと近しいシステムはあったのですが、最終的な決め手になったのは、直感的な操作性とシンプルなUIデザインでした。実際にお客様に操作してもらうものなので、操作がわかりやすくスムーズな点が高く評価されました。
導入前に、RECEPTIONISTのオフィスにもお伺いし、設置や操作のイメージを確認できたのも良かったです。
導入に際し、関係者や決裁者の承認を得るために、どのような工夫をされましたか?
長田事前に、導入による定量・定性効果を説明しました。システム導入によるメリットに関しては納得してもらいやすかったのですが、投資対効果についてはかなり厳しく見られましたね。
弊社はもともと有人で受付をしていましたが、コロナ禍で来客数が減少し、受付人員を減らしていました。しかし、今後は出社や来客数が増加することを踏まえ、RECEPTIONISTを導入すれば現行の受付人員でも質の高いお客様対応が可能であるという説明をし、投資対効果に関して承認を得ることができました。
明確なビジョンを持ち、強い意志を持って進めることが重要
導入時にはどのような課題がありましたか?それをどのように解決しましたか?
中村弊社では5つの拠点で、RECEPTIONISTと予約ルームズを導入しましたが、各拠点ごとに運用ルールや要件が異なっていたため、それらを統一することが大変でしたね。
長田既存の来客システムはオンプレミス型で、長く使われていたこともあり、各拠点ごとに独自の運用が定着していました。RECEPTIONIST導入にあたっては、各拠点の状況をヒアリングしながら、本当に必要なことは何かを丁寧に掘り下げて整理しました。
プロセスを一本化することを意識して要件整理を進めましたが、拠点ごとに運用や要件がバラバラだったので、すべてを精査するのには非常に苦労しました。
最終的には、システムの基本的な使い方は全拠点で統一しつつ、拠点ごとの個別の事情やニーズに関しては、それぞれが運用方法を工夫して対応してもらう形にしました。
プロセスの統一を進めるにあたっては、「明確なビジョンを持ち、ブレずに強い意思を持って進めること」が非常に重要でしたね。目指すべき姿を常に意識することで、効率的で統一感のある環境を実現できたと思います。
中村従来使っていたオンプレミス型のシステムは自由にカスタマイズが可能だったため、拠点ごとに異なる使い方や運用が当たり前になっていました。おかげで使い勝手は良かったのですが、保守性が低くなってしまっていたんですよね。保守性が低いと、その後の変更もしにくいので、今回の導入では、システムの使い勝手と保守性のバランスも重要なポイントでした。
長田逆に言えば、SaaS型のシステムを採用したことにより、一定の制約がある中でどうやって各拠点の理想を叶えるかといった方向で話を進めることができました。
その結果、各拠点のニーズや運用方法を整理し、全社で共有可能な最大公約数を見つけることを意識しながら、システムの導入を進めることができました。これにより、全体の効率化と個別の事情への対応を両立する形で運用を整えることができたと思います。
導入時の設定や準備はスムーズに行えましたか?
長田RECEPTIONISTの設定は、導入サポートを利用したのでスムーズに行えました。
一方で、OutlookやTeamsなど、Microsoftの仕様を考慮した運用・環境構築には苦労しましたね。
メール送信数やグループチャットの人数には上限設定があることがわかり、Microsoft側の制約に合わせて環境構築する必要がありました。大抵の企業では問題なく設定できると思うのですが、弊社は社員数も多く、今回は5拠点分の設定が必要だったので、Microsoft側の制約事項に応じた設定準備には苦労しました。
システムの導入決定後、社員に向けてはどのように周知していきましたか?
長田段階的な展開を重視して、1か月前に社内ポータルでリリースの予告を行いました。その後、全社説明会やマニュアル作成、FAQの整備を行い、リリース後にも社員が混乱しないように環境を整備しました。
お客様に上質なおもてなしを体験していただけるようになった
<日産自動車本社・受付>
<日産グローバル情報システムセンター・受付>
<日産テクニカルセンター・受付>
<日産先進技術開発センター・受付>
<横浜工場・受付>
受付業務にはどのような変化がありましたか?
長田今まで難しかったことがスムーズにできるようになりました。来訪者の記録が正確に取得できるようになりましたし、来訪録の記入や取次が不要になったことで、お客様の待ち時間も減少しました。スムーズな受付対応が可能となり、一人ひとりのお客様へのおもてなしに時間を充てられるようになりました。
中村来客登録時に送られる自動送信メールには、弊社までに行き方を記載したPDFが必ず添付されるようになったので、応対品質も向上しました。これにより、受付の前からお客様に上質なおもてなしを体験していただけるようになりました。
会議室管理ではどのような効果がありましたか?
中村会議室状況の一覧が見えることで、利用者が空いている会議室を簡単に見つけられるようになり、業務効率が上がりました。
長田実際に使っている社員からは「会議室の情報が写真付きで見られるのが良い」との声もいただいています。例えば、窓がある部屋を予約したい、電話会議が可能な大きな部屋を利用したい、といった場合に会議室の情報をパッと見てわかるので、雰囲気や設備に合わせた会議室を予約できるようになりました。
弊社は会議室数がかなり多いので、全部の会議室の状況を把握するのは難しいですし、Outlookカレンダーでは、会議室の様子や設備状況は見えないので、ここは予約ルームズ導入によるメリットの一つですね。
また、旧システムでは会議室の利用状況などのデータは取得できなかったので、利用分析ができていませんでした。今後はデータを蓄積していき、会議室の運用計画にも活用していこうと考えています。
来訪者や従業員からの反応はどうですか?
中村導入後、来訪者や従業員、受付担当者からは非常に肯定的な反応をいただいています。
来訪者
・ 簡単に入館手続きができて良い
・ リマインドメールが当日朝に届くので、受付用のメールを探す手間が省けて良い
受付担当者
・ 電話での取次がなくなり、業務が楽になった
・ 会議室の一括予約ができるので、工事やメンテナンスで使用不可の会議室管理が楽になった
従業員
・ お客様が到着時に通知されるシステムは革新的で助かっている
・ 予約時に、予約時間に利用可能な会議室のみが表示されるので、非常に使いやすい
・ お客様に案内メールが自動で送られるため、開催通知を個別で送る必要がなくなり、効率的になった
データを一元管理し、快適にご来社いただける空間づくりへ
RECEPTIONISTと予約ルームズはDX推進にどのように役立ちましたか?
長田受付業務や会議室予約に関連するデータを一元管理し、分析可能になったことは、DX推進の大きな成果だと思います。今後は、来訪者データや会議室利用状況を基に、よりお客様に快適にご来社いただけるような設備やサービスの計画を策定していきたいと考えています。
また、先日RECEPTIONISTのモバイルアプリも導入しました。従業員のモバイル活用向上にもつながると期待しています。
RECEPTIONISTおよび予約ルームズの導入を検討している他の企業や組織へ、どのようなアドバイスがありますか?
長田今回弊社では5拠点同時に導入を進めましたが、やってみて感じたこととしては、一部の拠点から始めるといったスモールスタートでの展開もありだったなと思います。
弊社のように拠点ごとに要件が異なるケースでは、複数拠点への導入の前に一部拠点で試験的に導入し、課題や成功事例を積み重ねることで、スムーズな横展開を実現できると思います。
また、導入前にはトライアルで実機の操作感なども確かめていただくとイメージも掴みやすくなると思います。
長田さん、中村さん、本日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました!
企業名 | 日産自動車株式会社 |
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業種 | 自動車製造および販売 |
従業員数 | 単独24,034名、連結133,580名(2024年9月30日時点) |
RECEPTIONISTシリーズについて
RECEPTIONISTシリーズは、ビジネス上のつながりをテクノロジーでスマートにすることで
各従業員が本来やるべき業務に集中でき、働きやすい環境に変えていくクラウドサービス群です。