RECEPTIONIST

来訪者対応の常識を変える、三菱地所のオフィスDXへの挑戦

この記事の要約
  • ・会議室管理システムのサービス終了を契機に、受付と会議室運用を同時に刷新
  • ・来訪者自身が会議室へ移動する新しい仕組みを導入し、効率化とおもてなしを両立
  • ・社員・来訪者双方の体験を改善し、オフィスDXの新しいスタンダードへ

 

三菱地所株式会社は、東京・丸の内を中心としたまちづくりをはじめ、オフィスビルや商業施設、住宅、ホテルまで幅広く手がける総合デベロッパーです。街に住む人、働く人、訪れる人、それぞれが求める本質的な価値に応えるため、常に新たな挑戦を続けています。
 
同社では、長年利用していた会議室予約システムのサービス終了をきっかけに、新たな仕組みの検討を開始。「本社オフィスを“ライブオフィス”として位置づけ、新しい働き方やオフィスのあり方を発信していきたい」という思いも後押しとなり、単なるシステム移行にとどまらず、来訪者体験そのものを刷新する取り組みへと発展しました。
 
今回の取り組みについて、「RECEPTIONIST」および「予約ルームズ」の導入を担当した総務部の大原氏、岡田氏にお話を伺いました。

きっかけは、受付と会議室の運用課題

三菱地所の本社オフィスには、来訪者用だけでも24室の会議室があります。従来は、来訪者が到着すると受付担当者が受付の対応をし、その後の会議室への案内やお茶出し、会議室の清掃までを担っていました。そのため、受付担当者の業務量が非常に多く、大きな負担がかかっていたのです。
 
一方で、社員も受付からの呼び出しを電話で受けてから会議室に向かう運用となっており、業務中ですぐに電話に出られないことや、受付が混雑して来訪者を待たせてしまうことが課題でした。結果として、来訪者と社員がスムーズに合流するまでに時間を要し、煩雑なオペレーションがすべての関係者にとって大きな負担となっていました。
 
さらに、長年利用してきた会議室管理システムが数年以内にサービス終了することが決定し、後継システムの選定も急務となっていました。そこで同社が検討したのが、会議室予約システム「予約ルームズ」および、クラウド受付システム「RECEPTIONIST」です。

システム導入の決め手は、来訪者が迷わない仕組み

導入の決め手となったのは、来訪者が迷わず会議室にたどり着ける仕組みでした。
 
来訪者が受付でQRをかざすと、担当の社員に到着通知が届きます。その後、受付エリアに設置されたサイネージに表示されるフロアマップで会議室の場所や利用状況を確認し、自分で会議室へ移動します。フロアマップは、入室可能なタイミングになると、マップ上の会議室が点滅し色も変わるため、案内を待たずに来訪者がセルフで会議室へ移動できるのが特徴です。
 
今回の導入では、来訪者による会議室へのセルフ移動を実現するため、従来のRECEPTIONISTや予約ルームズにはなかった新機能が開発されました。

 

 

 

①受付完了時の分岐メッセージ機能

来訪者が受付を済ませた時点で、利用する会議室の状況に応じて完了画面が2パターンに変化します。すぐに入室できる場合と、まだ準備中で入室できない場合とで表示を切り替える仕様を新たに実装しました。

 

②社員へのリアルタイム通知

受付完了と同じタイミングで、担当社員のスマートフォンに通知が届き、会議室の状態を即座に把握可能になりました。社員は、利用予定の会議室が空室の場合は直接会議室へ移動し、会議室が利用中の場合は受付へ来訪者をお迎えに上がる判断をすることが可能となります。

 

③フロアマップでの可視化

利用予定の会議室が入室可能になると、フロアマップ上の会議室が点滅して色が青色に変わります。来訪者は直感的に状況を把握でき、社員の案内がなくても、自ら会議室へ移動できるようになりました。
 
「社員が直接案内せずとも、来訪者がスムーズに会議室に移動できる点が大きな魅力でした」(大原氏)

受付効率化と来訪者体験の向上

RECEPTIONISTおよび予約ルームズにより、受付担当者と社員双方の業務は大きく効率化されました。

 

①通知の自動化で社員の負担を軽減

来訪者の受付が完了すると社員のスマートフォンに通知が届きます。従来、必要だった電話による来訪者取次が不要となり、対応スピードも向上しました。

 

②来訪者体験の向上


 

受付担当者が来訪者を会議室へ直接案内する場面は減りましたが、来訪者は迷うことなく自分で移動できるようになりました。受付から入室までの流れがスムーズになり、効率性と快適さを兼ね備えた新しい来訪者体験が実現しています。

 

さらに、この仕組みそのものが「ライブオフィス」の取り組みの一環となっており、三菱地所が描くオフィスの未来像を来訪者に体験してもらえる場にもなっています。
 
「効率化をしながら、来訪者にとってはむしろ便利になったという点が大きな成果でした」(岡田氏)

③会議室利用の適正化


 

会議終了時間のお知らせも、これまでは受付担当者が行っていましたが、新たに時間お知らせ端末を設置。画面表示で「あと何分利用できるのか」「次に予約が入っているのか」を一目で確認できるようになりました。

 

これにより受付担当者の工数が削減されたのはもちろん、会議室の利用者自身も時間を意識しながら会議を進められるようになり、会議室の適正利用にもつながっています。

 

④メンテナンスや管理工数の削減


 

社員用の会議室では、NFCタグを設置し、社員へ貸与しているスマートフォンに入れた社員向けアプリを利用して入退室を管理しています。
 
この仕組みを導入したことで、約100室ある執務エリアの会議室にタブレット端末を設置する必要がなくなり、管理やメンテナンスにかかる工数・コストの大幅な削減につながっています。

導入成功のポイントは現場への丁寧な告知

新しい受付・会議室システムをスムーズに浸透させるため、三菱地所は導入プロセスにおいても丁寧な工夫を重ねました。動画コンテンツを活用した社員への事前周知や、社員が実際に触って試すことができる期間や場所を設けて社員の不安を軽減する取り組みなど、現場の声を踏まえた浸透施策が実施されました。
 
その結果、受付業務は大幅に効率化されただけでなく、来訪者にとっても直感的で快適な体験が提供できるようになりました。
 
「単なるシステムの入れ替えではなく、働き方や来訪者へのおもてなしのあり方を見直すきっかけになりました」(大原氏)
 
従来の来訪者対応を見直し、効率性と快適さを両立させた三菱地所の取り組みは、来訪者対応の新しいスタンダードを示しています。その仕組みは、多くのオフィスで活かせるヒントになるはずです。

企業名三菱地所株式会社
業種総合デベロッパー
従業員数単体:1,158名 連結:11,412名

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